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皮膚炎の治療薬の種類

皮膚炎の治療薬にはさまざまな種類があります。皮膚炎の症状によって効果が期待できる治療薬は違うので、症状に合わせた薬を適切に使用する事が大切です。

参考:[PDF]埼玉医科大学皮膚科 中村晃一郎「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2015」

外用薬の種類

皮膚炎の外用薬は「ステロイド」と「非ステロイド」の2種類に分かれています。作用が強いとされているステロイドと作用が緩やかな非ステロイドを組み合わせて治療を行なっていきます。

ステロイドの外用薬

ステロイドには、作用が強く働くものと弱く働くものがあります。そして、ステロイドを使用すると、皮膚の炎症を強く抑えて、不愉快なかゆみの症状を和らげてくれます。まず、治療の初期段階や炎症が酷い場合などでは、強めのステロイドから治療を始めて、症状の経過を見ながら少しずつ作用が緩やかな薬に切り替えていく事が多いです。しかし、皮膚が柔らかい部分や赤ちゃんの皮膚に使用する場合などは、この限りではありません。

ステロイドは副作用が強く危ない。というイメージが強くありますが、医師の適切な治療のもと、症状にあったステロイドを適切な時期に適切な量を使用する分には、全く問題ありませんし、むしろ、皮膚炎の治療薬としての効果を期待できます。

非ステロイドの外用薬

非ステロイドの治療薬には、主に「保湿成分」「かゆみを抑える成分」「炎症を抑える成分」という3つの成分があります。また、水虫やアトピーなど、ある特定の病気によって引き起こされる皮膚炎や湿疹には、それぞれ専用の薬が使用されます。

「保湿成分」が含まれている薬は、主にカサカサと皮膚が乾燥している症状が現れている時に使用されます。かゆみや炎症を和らげる効果は期待できませんが、乾燥した皮膚を保湿する事で皮膚本来の防御機能を高め、炎症を抑えてくれる作用が期待できます。

「かゆみを抑える成分」が含まれている薬は、皮膚炎によって引き起こされる不快なかゆみを取ってくれる効果が期待できます。しかし、かゆみをとるだけで、炎症を鎮める効果はないので、薬の使用を止めると、再びかゆみを引き起こします。

「炎症を抑える成分」が含まれている薬は、ステロイドの外用薬と同じような炎症を抑える効果が期待できますが、その効き目はステロイドの外用薬に比べると緩やかになります。

内用薬の種類

皮膚炎の治療には、主に外用薬が使用されますが、症状が強くあらわれている場合などは、内服薬も併用する事があります。内服薬も「ステロイド」と「非ステロイド」の2種類に分かれています。

ステロイドの内服薬

皮膚炎の症状が強い場合、医師の適切な指示のもと、ステロイドの内服薬を使用する場合があります。この内服薬は強い効果が期待できますが、副作用として、さまざまな症状が身体に引き起こされる可能性があります。副作用の種類は、使用する薬によって変わりますが、むくみがでたり、眠れなくなったりするだけでなく、感染症にかかりやすくなったりするなどの症状があらわれる場合があります。ステロイドの内服薬を使用中に、副作用と思われる症状があらわれたら、すみやかに担当の医師に相談するようにしましょう。

この副作用のため、ステロイドの内服薬を使用する期間は必要最低限の期間のみとなります。また、副作用が辛いからと、自己判断で服用を中止したり、適当に服用したりすると、薬の効果がきちんと発揮されないだけでなく、辛い副作用がさらにあらわれたりするリスクが高まる可能性があるため、注意が必要です。

非ステロイドの内服薬

非ステロイドの内服薬は、皮膚炎の炎症を抑えたり、不快なかゆみを和らげたりする効果が期待できます。使われる薬は花粉症の時に使用される薬と同じになります。それは鼻炎によって引き起こされる鼻づまりや鼻水、くしゃみなどと、皮膚炎によって引き起こされる炎症やかゆみのメカニズムが同じであるためです。

漢方薬

大宮の皮膚科には、皮膚炎の治療薬として漢方薬を処方しているクリニックがあります。ステロイド系の治療薬に抵抗を感じる患者には、検討する価値のある選択肢です。

漢方薬のメリット

漢方薬のメリットといえば、天然の生薬を組み合わせたものであることから、西洋医学における化学合成物としての薬よりも安全な点が知られています。もっとも、漢方薬と西洋薬の違いは、成分的なものだけではありません。むしろ、そもそも病気へのアプローチの考えが異なるものです。

漢方薬は、人間が持つ自然治癒力を発揮しやすくするための薬であり、間接的に身体各部の機能を高め、正常化することで、病気の改善を目指します。西洋薬が、直接的な効果を狙っているのとはまったく別のアプローチです。

また、自然治癒力を高める薬であることから、大きな副作用の問題に悩まされるイメージが薄く、服薬にあまり神経を使わなくてよい点もメリットとして考えられています。

さらに、漢方薬の配合の対象となる生薬は248品目もあるとされ、とても種類が多いです。※1

しかし、西洋薬と違って病気ごとに特定の薬が必要になるわけではないため、同じ漢方薬で複数の疾患に対応できることが少なくありません。服用する薬が少なくてすむことも漢方薬のメリットのひとつです。※2

皮膚科と漢方薬の関係でいえば、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患やじんましん、にきび、湿疹などに効果が期待されます。

漢方薬を服用する際の注意点

安全な薬としての評価が高い漢方薬ですが、服用の際に注意すべきことがあります。漢方薬同士の飲み合わせと漢方薬と西洋薬との飲み合わせ、そして、漢方薬の副作用の問題です。

  • 漢方薬同士の飲み合わせ

漢方薬は複数の生薬を配合して作られています。中でも主だった生薬は、異なるいくつかの漢方薬に配合されることが珍しくありません。つまり、同じ生薬が配合されている漢方薬が複数存在するのです。

たとえば、内科で処方される漢方薬と、整形外科で処方される漢方薬に同一の生薬が入っているケースがあります。それに加えて、皮膚科でも治療薬として漢方薬を処方された場合、懸念されるのが3種類の漢方薬によって同じ生薬を過剰摂取することにつながりかねないことです。

また、医療機関で処方される漢方薬だけでなく、ドラッグストアなどで購入できる漢方薬もあるため、注意していないと適量を大きく超えた漢方薬を飲んでしまうことも考えられます。

いくら安全性が高いといわれる漢方薬であっても、飲みすぎることは避けなければいけません。お薬手帳などによる処方薬剤の管理は、漢方薬についても重要なことです。

  • 漢方薬と西洋薬の飲み合わせ

小柴胡湯(しょうさいことう)とインターフェロンの併用は、間質性肺炎のリスクを高めるとして禁忌となっています。※3

  • 漢方薬にも副作用が考えられる

漢方薬には副作用がほとんどないというイメージを持っている人が少なくないですが、間違いなく副作用がないのか、または大きな副作用がないのかについては疑いがあります。漢方薬の副作用について書かれた文献では、148種類の漢方薬に副作用が疑われるとされています。

主に疑われている有害事象としては、肝臓や肺、代謝に関するものが多いです。しかし、直接的な皮膚科領域の有害事象が少なかったとしても、全身に広げて考えたとき、何らかの形で影響を受ける可能性には注意しておくべきといえるでしょう。※4

有害事象との関係が疑われている漢方薬、報告件数の多い漢方薬には、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)や防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、柴苓湯(さいれいとう)といったよく知られている種類のものが並んでいます。

漢方薬を処方しているクリニック

大宮で皮膚炎の治療に漢方薬を処方している主なクリニックを紹介します。

  • 肌クリニック大宮

アクセスのよい大宮駅前にある肌クリニック大宮では、一般皮膚科・アレルギー科として行っているにきび診療をおこなっています。ここで殺菌剤などの外用薬やビタミン剤や抗生物質などの内服薬とともに漢方薬も処方しています。また、アトピー性皮膚炎でも漢方薬が用いられています。

  • 大宮西口皮膚科

大宮西口皮膚科は、皮膚科と形成外科のクリニックです。アレルギー性の疾患に力を入れており、漢方薬の処方を希望する患者の要望を受け付けています。大宮駅前で通院も便利です。

  • あづま皮膚科

あづま皮膚科は、数ある大宮の皮膚科の中でも、漢方薬の処方を前面に打ち出しているのが特徴です。上記のクリニックとは大宮駅を挟んで反対側にあります。

一般的に、にきびなどの皮膚科の治療で処方される漢方薬としては、桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)などがあります。とはいえ、漢方薬のメリットのひとつは、それぞれの患者に適した処方をすることです。したがって、一律にどの漢方薬がよいというものではありません。専門医の診察を受けることで、最適な処方を期待できます。

参考

※1 [PDF]国立医薬品食品衛生研究所 合田 幸広:日本の漢方薬における伝統的知識の利用の現状 P2

※2 独立行政法人労働者健康安全機構鹿島労災病院:第1章 漢方薬の特徴

※3 [PDF]一般社団法人日本東洋医学会日本東洋医学雑誌 第47巻第1号:小柴胡湯による間質性肺炎について 本間行彦P1-4(1996)

※4 [PDF]一般社団法人日本医薬品情報学会 医薬品情報学 Vol.16 No.1(2014) P16-22:「PDMA 医薬品副作用データベース」を利用した漢方製剤の副作用の解析 下平秀夫他

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